入試現代文へのアクセス 3冊のレベル解説と受かる使い方

入試現代文へのアクセス完成編
この記事を書いている人
よなたん(与那嶺隆之)
偏差値38の状態から参考書学習による独学で早稲田大学に合格。受験生に効率の良い勉強法を伝える「独学ラボ」を運営。参考書・勉強法研究家。自身で学習塾を経営する傍ら、あらゆる学習塾・予備校のコンサルティングも請け負う。

大学受験現代文のベストセラー参考書である「入試現代文へのアクセス 」シリーズについて解説する。2013年11月に『入試現代文へのアクセス 完成編』が新発売。

『五訂版』『発展編』もそれぞれ『入試現代文へのアクセス 基本編』『入試現代文へのアクセス 発展編』となり、ますます充実したラインナップとなった。非常に優秀な問題集だが、使い方を誤ると成績を上げることが出来ず、宝の持ち腐れになってしまう。

今回はシリーズ3冊の内容紹介と使い方を解説する。

『入試現代文へのアクセス』とは

アクセスは現代文の鉄板ともいえるベストセラー参考書だ。「迷ったらこれ」と言えるくらいクオリティの高い問題集で、受験生にはぜひおすすめしたいテキストになっている。

各シリーズに共通する基本スペックは以下の通りだ。

  • [ジャンル]現代文問題集
  • [勉強期間]1冊1か月~2か月程度
  • [使用目的]読解力と解答力の両方を伸ばすため
  • [勉強目標]全問題を根拠を持って解答できる(シャドウティーチング)
  • [対象者]各レベルの現代文で合格点を取れるようにしたい人

 

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『入試現代文へのアクセス』の良い点

  • 本文解説が詳しい。
  • 設問解説が非常に詳しい。
  • 本文の意味段落ごとの「小見出し」がついている。
  • 適宜、図や表を用いた解説がわかりやすい。

類書と比べて決定的に違うのは「本文解説がしっかりしている」ということだ。現代文の参考書は本文解説が一切ないものもある。読解力を高めるためには、本文解説がある方が良い。 

『アクセス基本編』の基本スペック

入試現代文へのアクセス 基本編 (河合塾シリーズ)

 

  • [問題数]16題:例題4題+基本6題+応用6題
  • [難易度]易しめ:1冊目からでも十分いける。不安な人は背景知識を勉強してからだと余裕。
  • [到達レベル]入門→基礎:センター4割以下→センター6割

『入試現代文へのアクセス 基本編』は前『入試現代文へのアクセス 五訂版』の改訂版で、『アクセス発展』などと区別しやすくなっている。内容に大きな変化は見られないため、『五訂版』を持っている方は特に買いなおす必要はない。

問題レベルはハッキリ言って易しい。これくらいの問題ならば満点を取って当たり前と思ってほしい。公立の高校生なら高1でこなしておくべきテキスト。

現代文参考書の鉄板ゆえに「アクセスだけで大丈夫」と考える人もいるが、これ1冊でセンターや私大で高得点は到底取れないので注意。 

『アクセス発展編』の基本スペック

入試現代文へのアクセス 発展編 (河合塾シリーズ)

 

  • [問題数]16題
  • [難易度]やや難しめ:センター6割、『現代文単語』などは仕上げておきたい
  • [到達レベル]基礎→難関:センター6割→センター7割8割

『入試現代文へのアクセス 発展編』も改訂され、「問題冊子」巻末に各問題の150字要約が追加された。

要約がついたことでより一層効果的な学習をすることが出来るようになった。これから『入試現代文へのアクセス 発展編』を買おうとしている人は、要約が付いているかを確認して購入しよう。

発展編はおよそマーチレベル攻略のための参考書と思ってもらっていい。

問題文のレベルは『基本編』よりも上がってはいるが、割と設問が素直なので、背景知識と『アクセス基本編』やもう一冊問題集をこなしていれば十分使いこなせる。 

『アクセス完成編』の基本スペック

入試現代文へのアクセス 完成編 (河合塾シリーズ)

 

  • [問題数]16題
  • [難易度]難しめ:センター8割程度の学力は欲しい
  • [到達レベル]難関→最難関:マーチ合格点→早稲田易しめ学部合格点

『入試現代文へのアクセス 完成編』は最難関大学対応のアクセスシリーズ。早稲田・上智志望の受験生や難関国公立生におすすめだ。

巻末には200字要約もある。要約問題にもしっかり取り組めば確実に力がつくだろう。

 河合出版には様々な現代文テキストが出ているが『入試現代文へのアクセス 完成編』は難関私立大学を目指す人におすすめだろう。 

『アクセス』構成と特徴・上手な使い方

  1. まずは問題を解く。30分程度を目安とするが、苦手な人は40分を限度とする。焦らずじっくり丁寧に解く
  2. 問題を読みながら各段落の要旨を「ヒトコトメモ」しておく。このメモが読解力向上に欠かせない
  3. 問題文はコピーして、筆者の主張には線を引いたり、言い換え部分をつなげたりする
  4. 設問を解く。何を問われているかきちんと考える。
  5. 傍線部分を丁寧に読む。主語と述語を把握し、選択肢部分を比較して考える
  6. 解答の根拠をノートにメモする。「本文に○○と書いているから、それと一致するウが正解」といった正解の根拠をメモ
  7. 「アは○○が逆のことを言っていて×、イは傍線部の段落の話題と全く違うから×」というように不正解の根拠もメモ。
  8. 選択肢は文節ごとにスラッシュを引き、○×△をつけて検討する
  9. 注の語句は全部覚えてしまう。
  10. 問題を解いたら本文解説に入る。重要キーワードは「背景知識の勉強法」を参考に覚える
  11. 各段落の解説を熟読する。自分がメモした要旨が合っているか丸付けをする
  12. 解答解説を読み答え合わせ。正解・不正解関わらず解説を熟読する
  13. 選択問題の解説は「各選択肢のどこがどう間違え」ているかも書いている。それらを熟読して理解し、自分で解説できるようにすることが超重要
  14. 間違えた問題と根拠を持って解けなかった問題は復習対象とする
  15. 解説を読んだら終わり、ではなくもう一度問題を解く
  16. その際【解説を真似て解く】事が出来るか確認。出来ないならもう一度解説を読みシャドウティーチングをする。スラスラ説明できるまで繰り返す
  17. 『発展編』『完成編』の場合は要約問題にも取り組んでみる
  18. 全ての問題をシャドウティーチングできたら次の問題へ
  19. 翌日、1週間後には必ず復習をする
  20. 復習する際は設問だけ見るのではなく、本文を1回通読する。
  21. その際ただ読むのではなく言い換えや話題転換、筆者の主張などを意識しながら読む(書き込みしていない冊子の方を読む)
  22. 余力があれば本文解説にある「意味段落ごとの小見出し」を自力でつけられるか口頭で言ってみる
  23. 「各段落のひとこと要約」を口頭で言った後、全体の要約を口頭で言ってみる

『入試現代文へのアクセス』は読解力と解答力を鍛える工夫でいっぱいだ。

もしあなたがこれらのポイントを見て「多すぎ!細かすぎ!」と思ったのなら、アクセスを十分に使いこなせてはいないことになる。あるいは使いこなせないはずだ。

本文解説が詳しいテキストなのに、本文を何度も読み込まなかったり、意味段落ごとの小見出しを分析しなかったり、要約に取り組まないのは非常にもったいない。学力向上のチャンスを逃していると言わざるを得ない。

解答解説も丁寧なのだから、根拠を持って正解を選ぶシャドウティーチングを「これでもか!」というくらしつこく反復してほしい。

1冊をしゃぶり尽くすように使い切ることで、あなたの現代文は確実に伸ばすことができるはずだ。 

まとめ

私は決して河合出版の回し者ではないです(笑)ただ、以上述べたように、現代文へのアクセスは成績を上げるために役立つ内容が盛りだくさん。

今までは最難関私立向けのテキストがなかったため、他の出版社の参考書を組み合わせることを薦めていた。これからは「アクセスルート」がしばらく受験現代文の鉄板となるかもしれない。

『現代文へのアクセス』の良改訂に刺激されて、より使いやすい参考書が出ることを期待する。 

すみません。欲を言わせてください

メリットばかり挙げてきた「現代文へのアクセス」シリーズですが、あえて要望を言います(笑)

それは「本文分析」があるとなおよいということだ。『現代文と格闘する』や『上級現代文』などにみられる「本文の言い換え、対比構造」などが図式化されたら、なお良いと考えている。

本文の書き込み例などもあったらいいなぁーとは思うが、アクセスの雰囲気には合わないかな…とも思う。そしてそれは欲張りすぎかな。

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入試現代文へのアクセス完成編

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31 件のコメント

  • よなたん先生

    お久しぶりです。
    さて、「アクセス」シリーズについて、先生はかなり褒めていらっしゃいますが、私はそれほど良いとは思っていません。
    確かに本文・設問の解説や、関連事項はキチンと掲載されていますし、その質量も申し分ありません。
    しかし、問題なのは、その掲載の仕方です。
    このシリーズは、どういうわけか、問題文と本文解説・関連事項を本冊に、解答・解説を別冊に掲載しています。
    問題演習としての本来の構成ならば、本文・設問の解説と関連事項を本冊に、問題文を別冊にすべきでしょう。
    著者の河合塾の先生方の概念や、河合出版の編集におかしなところがあるのではという疑念を持たざるを得ません。

    • >yossyさん:コメントありがとうございます。それは瑣末な部分だと思うので、それのせいで学力向上に致命的なデメリットを生み出すものではないかなと思います。とはいえレイアウトは好き好きですから、そう思われるなら問題文別冊になっているものを使用すればいいかなと思います!確かにそちらのタイプのほうが「問題解いてる」感じはしますよね。解答用紙とかもきちんと用意されているとなお良しって僕は個人的に思います。

      • よなたん先生

        早速のご返答ありがとうございます。
        「アクセス」は、あの理解しがたいページ構成でなければ文句ないんですけどね…。
        同じ河合塾でも「マーク式基礎問題集」、「入試精選問題集」、「得点奪取」の方が良いのではと感じます。
        演習問題の解答が完全に別冊になっていますし、「入試精選問題集」と「得点奪取」の記述問題は解答欄も備わってますし、同じシリーズの古文、漢文もありますし。
        まあ、ご指摘の通り、好みの問題と言われればそれまでなんですけどね…。

  • 復習する際は本文を読み直したあと設問も再度解くんですか?
    その際頭のなかでシャドーティーチングしてできなかったところだけ別冊の解答解説を読む、という感じでしょうか?

  • 上智大学総合グローバル学部を目指すものですが、現代文は苦手な方です。
    現代文アクセス基本編→発展→完成をやりこめば上智に対応できますか?

  • コメント失礼します。
    出口のシステム現代文シリーズとアクセスシリーズのどちらがいいのでしょうか(;_;)
    今はセンターで評論は半分ぐらい取れてます。

    • 好みで選んじゃってもいいですが、使いやすいのはアクセスだと思います!強いて言えば、センターでしっかり取りたいならばセンター対策本(船口先生の本)とかとセンター過去問の演習が最も力が付きますよ!

  • 現代文が苦手で今はアクセスの基本編を使っています。
    やはりコピーして実際に書き込みながらやったほうがいいですかね?
    どれくらいやってから発展編にいけばいいですか?

    • >わたなべさん:書き込むことが目的ではないので好きにやったらいいのですが、初めは書き込みながら解いてもいいと思いますよ。

      それは完全に習得してから次にいけばいいかなとおもいます。実際は8割9割くらい習得したと思ったら次に進んで下さい。
      1回解いて次に行くとかはナシですよ。

  • 質問失礼します。
    アクセス基本編は、単に難易度において発展編よりも下、ということですか?それとも、シリーズ3冊のベースにあたるものが書いてあって、基本編をやらないと発展編にはいけない、という感じですか?

    • >fさん:難易度が下、ということです。で、基本編はけっこう簡単なので、別にいきなり発展編に行っても大丈夫ですよ!下から順番にやらなきゃ分からない、というわけではございません^^

  • アクセスの完成編をやれば、「現代文と格闘する」をやらなくても早稲田の過去問に言って大丈夫でしょうか?

  • 現在高一(県内では真ん中より少し上くらい)です。名市大薬学的志望なのですが、難関大学と見た方が良いですか?最難関ですか?アクセスの完成編どうしようかと思って、、最近帰って来た模試が国語の偏差値44。泣 それで今から始めようかと思います。漢字や現代文単語からやっていきます そこで、アクセスは一回ずつやれば良いんですかね?アドバイスお願いします

    • 最難関では無いと思います。
      まずはセンターレベルからやっていきましょう。

      漢字語彙は毎日続けつつ、アクセス基本編をやる。

      1回ずつとか論外です。意味ないです。カンペキに身に付くまで何回でも繰り返して下さい。最低でも7回以上です!!

  • 京大工学部志望の高1です。
    田村のやさしく語る現代文をやったあとにアクセス3冊やったらそのあとは、何をすればいいですか?

  • 京大法学部志望の高2です
    アクセス発展編(今年の2月に完成予定)⇒完成編(発展編完成後)とやっていくつもりなのですが
    次は何をしたら良いでしょうか……
    返信お待ちしております。
    同じ内容のコメントをしてるかもしれません。
    1度目コメントが表示されてなくて。
    ご理解お願いします

    • 高2でしたらまず焦る必要はありません。
      完成編やったら次は得点奪取⇒上級現代文

      などがいいです。あとは過去問をどんどん解いていくのが一番ですよ。

      • ご丁寧にありがとうございます。
        焦らずじっくりと進めていきたいと思います。
        現役合格目指してコツコツ頑張ります

  • 質問です。今年受験で、立教大学を目指しています。
    一、二ヶ月ほど前に現代文アクセス基本、発展を大体二週ほど周回し、
    センターでは評論に関しては8割が安定してとれるようになったのですが、
    立教の過去問を解いてみると大体5割から7割と中々安定しません。
    そこで、手つかずになっていた要約に取りかかってみたいとおもうのですが
    他の人に相談してみたところ『同じ問題をやるをやるより新しいものに取り組んだ方が良い。
    『読解力の開発講座』に取り組んだらどうだ』というアドバイスをいただきました。
    この時期に新しい参考書に取り組むか、それとも以前解いた問題をじっくりやり直すか、
    どちらの選択がベストでしょうか?

    • >soraさん 誰に相談したか分かりませんが「同じ問題を繰り返し復習」した方がいいです。やるなら過去問です。この時期開発講座やるとかはちょっとナシです。習得する前に試験終わりますよΣ(´∀`;)

      2周程度しただけじゃマスター出来ないと思います。もっととことん復習して下さい。何度も読んで理解し直して下さい。腑に落としてください。自分で解説できるようにしてくださいね。

  • 質問です。早稲田大学志望 です
    YouTubeで見たとおりに夏までに英語に絞って夏から本格的に国語にとりかかろうとしています。
    そこで、入試現代のアクセス基本編→発展編→
    とやっていこうと思うのですが、発展編の次に、現代文と格闘するをやろうと思うのですが、それはアリでしょうか?武〇塾で早稲田大学のルートに入っていたので、こっちらのアクセスルートにするか
    完結編をやらないで現代文と格闘するを組み込むか迷ってます。

    • ◯アクセスを使った授業の感触では、基本編のシャドーティーチングが出来る生徒にとっては問題が優しすぎ、問題が難しいと感じる生徒のレベルではシャドーティーチングは却々困難だと思われますが、いかがですか?
      ◯復習プレミアムノートについては何のコメントもありませんが、評価はされないのですか。

      • それを言うとどの教材も使えなくなりますが・・・笑
        すべてのレベルに対応した教材などありませんよ。逆にちょうど良い教材があったら教えてほしいです!

        プレミアムノートはまだちゃんとみたことないので今度チェックしてみますね。

    • んー。完成編でよくないですかね?格闘するは確かに人気ではありますが
      あそこまでやる必要ないと思います。

      てかあれやるくらいならもう早稲田の過去問をどんどん解いていったほうがいいですよ。
      あとセンター過去問もやりこんだ方がいいです。

      アクセス基本⇒発展⇒センター20回分⇒早稲田20回分とか。
      完成編は余裕あればくらいで。現代文にそこまで大量に問題集をやるのははっきり言って非効率です。
      それよりも英語と選択科目のバランスを優先させましょう。

      • 返信ありがとうございます!!
        今日友達に格闘する見せてもらったのですが量が多くて確かに非効率的だと思いました。アドバイスありがとうございます!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    与那嶺 隆之

    高3の9月から勉強を始め(当時偏差値38)1年間の自宅浪人を経て早稲田大学に合格。その後も勉強を続け勉強法を研究し、予備校に通わず参考書で合格する方法をブログやメールマガジンで発信している。